鎮魂の日

東日本大震災において犠牲者の方々にご冥福をお祈りいたします。

 

 5年前のあの日弊社では古川で高速道路の橋梁補修工事と仙台市内でシールド工事に従事していました。会社内では自分一人で見積もりをしておりました。当時弊社は南小泉のマンションの一階にありました。会社内はいろいろなものが飛び交い重さ約80キロくらいのキャビネットが部屋の端から端まで揺れ動きました。すぐに現場と連絡を取ろうとしましたが携帯がなかなかつながらず1時間後くらいにやっと全員の安全が確認できました。正直南小泉近辺ではそこまで周りはひどくありませんでした、家族の安否も確認でき停電が続く真っ暗な道路を帰路につきました。信号はすべて消え渋滞の車のライトとテールランプだけが仙台市内の街を埋め尽くしました。カーラジオから津波の速報や人が何百人と犠牲になっていると放送されていました、しかし仙台市内および自宅近辺では大した被害がなく誤報なのではと思いました。自宅では全てのライフラインが止まり余震が続くなか夜を過ごしました。

地震直後海岸近辺および実家のある石巻で津波の被害がそこまでひどいとは思いもしませんでした。

次の日に職員すべてに自宅待機を指示いたしました。

 

しかし今思えば建設会社としては失格な指示を出したなと思う時があります。

「地域貢献」をしなかったと言う罪悪感。

まずは自分の身を守れという指示は正しかったのか?この鎮魂の日が来るたびに思い出します。

建設会社なるもの「地域貢献」を優先するのか「自分の身、家族の身」を優先するのか5年たった今でもその答えは出ません。

 

弊社がガレキ処理や堤防補強工事に従事できたのは震災から約10日後の22日からでした。

 

その当時でもガソリン不足の為出勤できる職員も少なく何とか復旧工事に従事することができました。

 

今後このような震災がないとは言い切れません。

 

その時自分で何が出来るのか、何をすべきか、今だ答えが出ないまま考えています。

 

 

被害に遇われた皆さまのご冥福を心よりお祈りいたします。

 

                                   有限会社 大地建設

                                   代表取締役 髙橋純一